An Old Fashioned Love Song

さて今回の「この１曲」はThree Dog Nightの1971年秋に出たヒット曲「An Old Fashioned Love Song」です。全米では４位まで上がり、日本でもこのバンドの曲の中ではよく知られたヒットになっています。シンガー・ソングライターで役者さんでもあるPaul Williamsの書いた曲で、彼はカーペンターズにもヒット曲を書いています。

スリー・ドッグ・ナイトというバンドは３人のボーカルで結成され、バックの４人を集めた形でバンドとしてデビューします。３人のボーカリストのそれぞれが曲を見つけてきて、ほかのふたりが同意すれば、見つけてきたひとりがリードを取り残りのふたりがコーラスに回る、という形でレパートリーにしていったとのこと。自分たちでは曲は書かなかったんですね。

逆に言えばそれだけ多くのソングライター達が活動して曲を書き売り込む、という「産業としての音楽」が成立していたわけですね。1950年代からこうしたことは続いていたわけで、自分で曲を書かなくともバンドして活動できるぐらいに、市場に楽曲が存在していたわけです。このあたりがアメリカのポップ・ロック史の面白いところ。

この曲の邦題は「オールド・ファンションド・ラブ・ソング」で、冠詞「an」を抜いただけの原題どおり＾＾；。一方歌詞の歌い出しは「Just an old-fashioned love song playin' on the radio」となり最初に「just」が付きます。まぁいろいろとややこしいですな＾＾；。ちなみに日本のコーラスグループRAG FAIRに「Old Fashioned Love Song」という曲がありますが、当然ながら同名異曲でございます。

とは言うものの「Old Fashioned Love Song」という言葉自体が、ほとんど一種の決まり文句みたいなところもあります。「Silly Love Songs」とかっていう言い回し（ポール・マッカートニーの曲にありますが）もそうだけど、ある種の決まり文句をタイトルにした歌や映画や小説とかって、ホントに英語圏にはたくさんあって、同名異曲はたくさん存在しますよね。日本で似たタイトルがあるっていうのも、よくあるような気がします。誰か調べてくれないかな＾＾；。

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