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赤瀬川原平さんのこと [ひと]

続けざまに訃報を記すのも、ちょっと気が重いことは確かなのですが、心に残る人がこの世をあとにするに当たっては、何かを書いておきたいことも事実です。ただし、私の場合は赤瀬川さんの著作の直接の愛好者と言うよりは、「建築史家」としての藤森照信さんとの関係から赤瀬川さんを知るようになったのだと思います。

なかでも「路上観察学入門」という本は赤瀬川さんや藤森さんたちの共同作業が繰り広げられ、楽しい本でした。私が街に散らばる看板や建物の装飾を撮影する、という楽しみを知ったのもこの本に影響された部分が大きいと思います。

影響を受けてしまった私は、独り勝手に「変な壁愛好会」をでっち上げ、ある時期は不思議な装飾のある「壁」をいろいろ撮っていました。さらにそこから派生して建築の不思議な装飾(これは藤森さんの本からの影響も大です)をいろいろ探して歩くようにもなりました。

自分の「変な趣味」を公開して追悼の意を表すというのも、的外れかもしれませんが、私の生きてきた中での赤瀬川さんからの影響の、ひとつの形なのでございます。
作品「壁Ⅰ」。
wall_01.jpg

「壁Ⅱ」。
wall_02.jpg

そして真ん中のビルの上の方の装飾が気になったのと、右のビルの造作が面白いのと、両方で撮った写真。たぶん小石川近くの春日通りに面した建物です。今も残ってるかはともかく。
build_01.jpg

いずれも以前使っていたフジのデジカメで。

赤瀬川さんの興味はさまざまな方面に及び、比較的新しい本としては「新解さん」についてのものが面白かったですね。辞書についての考察なんて、なかなか考えつかないのに、と思います。数年前から闘病が続いていたとのことでしたが、ついに帰らぬ人となってしまいました。折しも千葉市美術館では「『赤瀬川原平の芸術原論』展」が開催されようとしていました。満77歳没。心よりご冥福を祈ります。どうか安らかに。
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