SSブログ

Yes or No [音楽]

前回の「この1曲」はアート・ブレイキーのバンドにちょっと寄り道したわけですけど、当初の目的というか「繋げ方」の予定であった、マイルス・デイヴィスのグループに加わったことのあるプレイヤーの作品へと戻ります。が、ちょっと原則に対してグレーとでも言うか^^;。自分で原則を立てておいてダメじゃん、とは思うのですが。

と言うのも前回の曲の作曲者がリーダーのグループの曲だからです。「Yes or No」はWayne Shorterが1964年に発表したアルバム「JUJU」の5曲目に収められています。同じ作者の曲が続いたわけです^^;。アップテンポの曲ですが、激しくなるかと思いきや、むしろ軽快というか熱くなり過ぎない感じが漂います。

このグループはMcCoy TynerとElvin Jones、そしてReggie Workmanというリズム・セクションにウェインのワンホーンという形ですが、なにしろこのリズム・セクションが達者と言うか上手いと言うか^^。「Yes or No」でも速いリズムの上に乗ったテナーが縦横に吹きまくるんですが、後ろは後ろでずっとやり取りが続いているという面白さがあります。

McCoy TynerとElvin Jonesのふたりは、John Coltraneのカルテットの中核メンバーでもあり、ブルーノートレーベルのあちらこちらで名盤に登場するという、名コンビでもありました。それにしても特にエルヴィンの繰り出すリズムの凄味は、このアルバムの隠れた聴きどころだと思います。

同じドラマーの繰り出すリズムでも、マイルスグループのトニー・ウィリアムスはタムも含めた手の回し具合プラスバスドラムのアクセント。片やエルヴィンさんは、スネアの細かい刻み具合とハイハットも含めてのリズムの作り方の凄まじさに特色があると思います。まぁジャズの分野では騒がしい部類のドラマー^^;。もうひとりスティーヴ・ガッドも加えときましょうか。派手ドラム三羽烏^^;。

それにしてもウェインという人は、ジャズメッセンジャーズからマイルスのグループに加わってエレクトリック時代までつき合ったのちに、ウェザー・リポートに参加してフュージョンジャズを切り拓くという経歴を持ちます。ジャズ界の歴史を縦断というか斜め横断というか、縦横無尽というか。

たかだか11、2年ほどを経て「A Night in Tunisia」の世界からアルバム「Weather Report」の世界にまで到達するというのは、両方を並べて聴いてみるとその隔絶ぶりは大変なものです^^;。なかではこの「JUJU」というアルバムの持っている雰囲気が、その頃のジャズの雰囲気をよく現しているように思います。やはり名盤、そして名曲ですよね^^。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。