SSブログ

TV放映されましたね^^ ノセダとN響の「ベートーヴェンの交響曲第5番」 [音楽]

日曜のBSプレミアムで、N響定期の第1799回が放映されました^^。私はFMで生での放送があった時に聴いていました。ただし途中用事ができてしまい、第1楽章から2楽章の半分ほど聴いたところで席を立ってしまいました。戻ってみると全曲の演奏と拍手は終わっており、番組も終りにさしかかるところでした。

なので全曲通して聴くことができるTVの放映を待ちかねていたのでした。なにしろ第1楽章の演奏は、かなり衝撃的というか、冒頭のテーマといい提示から終結に至るまでの疾走ぶりと、なによりもザクザクと刻み込んでいくようなアクセントの強さなど、とても特徴のあるものでした。一瞬きらめくオーボエだけが、少しテンポを落した歌い上げ方で、あの感じは指揮者からの指示かあったものなのか、茂木さんに聞いてみたいものです^^;。

たいていはオーボエ奏者に任せちゃうらしいんですけどね。第2楽章に入ると、やや落ち着きを取り戻した感じではあるものの、停滞を生み出さないように注意深く、そしてやはりやや速めのテンポを保ちながら進んでいきます。ただ、木管群が歌うところなどは存分に歌わせるものでした。

第3楽章と第4楽章も比較的速めなテンポを保ったままで、妙な思い入れの間を作ったりしないやり方でした。たとえば第4楽章の冒頭なんかも、もっとどっしりゆったりとスタートさせる、というやり方もありますし、そのまま次第にテンポを上げていくような振り方もあるでしょう。そういったある種の「思い入れ」をできる限り排除して、特に第4楽章は疾走させ続けるという意図が見えていたように思います。

終演直後、まず最初にノセダさんはチェロの前列のふたりに話しかけてふたりがにこにこする、という情景になりました。その後ろの奏者たちもみんな笑顔になって、そのあとコンマスと握手。ああいった時にどんな言葉が交わされているのか、お聞きしてみたいものだなと思いますね^^。そして団員の皆さんも、全体になにやらほっとしているような笑顔が見えました。そう、ある種の「勤行」を終えたような安堵感みたいな感じも漂ってましたね^^;。

その後の百数十年以上に亘っての「5番の呪縛」を生み出したこの作品の強烈さを、改めて噛みしめることができた気もします。チャイコフスキーも、ブルックナーも、マーラーも、ショスタコーヴィチも。いずれもベートーヴェンの「5番」を意識しながら書かざるを得なかったんだろうな、と思います。

一方でメンデルスゾーンはまったく違った風味の作品に仕立てることで、呪縛から体を逸らし、シベリウスはいいタイミングを掴んで、祝祭的な雰囲気を醸し出すことに成功しました。シューマンとブラームスはね、ふたりとも書かずに済ます(その前に世を去る)、というウラ技でした^^;。師匠と弟子ですからね、このふたり。ブラームスはね、たぶんですが「ロベルトさんが4曲だったんだし、僕ももういいんじゃないかな」と思ってたでしょうね^^;。

というわけで、ノセダさんとN響の「ベートーヴェンの交響曲第5番」は、私としては「その後の5番の歴史」にまで思いを馳せてしまうほどに、鮮烈で印象深い演奏となりました。できる限り重厚さや過度の思い入れを排し、リズムやフレーズの強さを描き出すという演奏は、最近ではいろんな人がやっていると思いますが、首尾徹底して貫き通す、という意思の強さと合わせて、ずいぶん楽しませて貰いました。いい演奏だったなと思います^^。

追記:友人から「プロコフィエフ!ニールセン!」と叱責が来ました^^;。いや、分かってて避けたのです、はい^^;。そのおふたりはとりあえず論の向いてる方向から、ちょっとずれてる気もしてましたし^^;。ただ、プロコ先生は、わざわざ「作品100」を意識的に5番に与えたらしく、やっぱりかなり気にしてたのではないかと^^;。まぁこのふたりのほかにも「5番」を書いた人はいるでしょうし。以上ちょっぴり蛇足ながら^^;。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

My Romance金子國義さんのこと ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。