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芳林堂書店の破産に思う [本]

取次大手であった太洋社の廃業という事態を受けて、芳林堂書店が破産を申請した、というニュースが流れました。芳林堂の池袋と高田馬場にあったお店には、以前にはずいぶん通っていたので、びっくりすると同時に寂しい思いもあります。

一般の人にはそもそも「取次」が分かりにくいかな、とも思います。まぁ出版における「問屋」なんですが、ほかの業種と決定的に違うのは、小売りとの金融面での結びつきが強いということでしょうね。長く営業してきた書店というのは、掛け売りで仕入れて現金売りを行い、売れ残った書籍は返品できる、という特殊な商売のやり方をしています。また取次が存在しているので、街の小さな本屋さんでも品揃えが豊富にできるという利点があります。

もちろん出版社の数が大変多く、かつ書店の数も(最近減ってますが)それ以上に多い、ということから、中間に介在する取次が、取りまとまとめて品物を扱うことで、流通コストや手間の軽減に繋がる、という利点もあります。資金面でも支払が一本化できる(取次に払えばいい)ということになります。

出版という業界は、ある時期からはゆっくりと下り坂と言われて久しく、売り上げも減ってはきていますが、さすがに芳林堂クラスの書店が一気に「破産」という事態は、あまり聞きませんでした。取次が廃業することで、未払分の支払を迫られたり、別な取次と新しく取り引きを始めるにしても、資金面で厳しかったのだと思います。

私としては以前に高田馬場が便利な場所に住んでいたこともあり(西武新宿線中井駅)、芳林堂にはちょくちょく買い物に行っていました。本気で本を探すとなると、池袋の方が確実だったんですけどね。大書店が多かったので。あ、ただし和書の場合です。洋書は紀伊國屋本店の上の階が大きかったし、ビジュアルに重きを置いた本は青山の嶋田洋書が充実してたんで、そっちが早く探せましたけど。あそこも去年閉めちゃったなぁ。

幸いにも芳林堂の店舗は、とりあえずは書泉グループが引き継いで営業するようです。神保町の顔のひとつである書泉が、高田馬場にも顔を出すことになります。昔に買った書籍に巻いてもらったカバーの類いは、わりに捨てずに持ってますから、芳林堂のカバーは保存版にして持っておくことにしましょうか。それにしても馴染みのお店が消えるのは、やはり寂しいことではあります。
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