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フィリップ・グラス:2人のティンパニストと管弦楽のための協奏的幻想曲を聴いて^^ [音楽]

タイトルが長いなぁ^^;。私の場合は10月5日の演奏会を聴きに行ったわけじゃなくて、ついさっきのEテレの放送を見ての感想です。めったに聴けないプログラムだと思うので、テレビでとは言え聴けるのはありがたいですね。ティンパニ奏者の植松透さんと久保昌一さんに、指揮の井上道義さんのお話を聞けたのも面白かったです。

フィリップ・グラスは、一般的にはしばしば「ミニマル・ミュージックの作曲家」と言われているようですけど、スティーヴ・ライヒあたりの作風とは明らかに方向が違うように思います。違う個性なんですから、作品の味わいが違うのは当たり前ではありますけど。

「2人のティンパニストと管弦楽のための協奏的幻想曲」は2000年に作曲されました。「幻想曲」とは名乗っているけど、まぁ事実上は「小協奏曲」ぐらいの感じでしょうか。演奏時間はコンパクトだけど、全部で3楽章からなる協奏曲の形式は備えていると思いました。

第1楽章と第3楽章は明るくにぎやかな曲想なんですが、第2楽章は静かにティンパニがリズムを刻む中でフルートにメロディが現れて、どこか和の気配が漂います。「打楽器と笛」で「和」を連想するのは、もしかしたら日本人だけなのかもしれませんが。

第2楽章の終盤では、ステージ後方の打楽器奏者たちとかけ合うような楽想が現れます。前方のふたりのティンパニ奏者のほかに、5人の打楽器奏者が並んでいるという風景は、あんまり見たことがないかも知れませんね。このいわばカデンツァの部分が技巧的で楽しかったです。

植松透さんと久保昌一さんのふたりのソリストは、植松さんが赤いシャツで久保さんが青いベストという、「対称性」を意識した感じ。おおむね植松さんが高めで久保さんが低めの音域を担当しつつ、自由にかけ合うという曲でした。

ところどころでマレット(バチ)を引っくり返して柄の方で叩いたり、普通はティンパニではめったに聴けないダブル(一度の動作で音を2回出す)やトレモロが現れたり、ペダルを踏んで音程を動かしたりと、文字通り八面六臂の活躍。音も面白いけどやはり見ていても楽しいという音楽でした。

まぁホントにめったに聴けないと思うので、プログラムに取り上げてくれた井上道義さんには感謝しています。ここで取り上げてもらわなかったら、聴く機会は無かったと思うし。放送ではありましたけど、面白く楽しい聴きものになりました^^。

追記:そう言えばこのプログラムのコンマスはライナー・キュッヒルさんで、前回もアンドレアス・ヤンケさんというゲスト・コンマスの方でしたから、2回続けてのことになりました。そういうことって多いのかな。N響だけのことでは無いのかも知れませんけど。

さらに追記:前回の放送の定期の演奏のあとに、ふたりのティンパニ奏者をクローズアップした特集も付いてましたね。曲の演奏を聴いてから見直すと、なかなか面白いと思いました。同じティンパニという楽器を演奏するおふたりですが、性格がこれまた対称的なところが、ある意味不思議でもあるし、面白くもありますね^^。
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