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本好きの下剋上 アニメ第1部完結^^ [アニメ]

今期いちばんの楽しみで見ていた「本好きの下剋上」の第1部が終わりました。副題は長いので省略^^;。第2部は来年の春から放送予定、という予告はなされていますが、まずはここまでのストーリーが終わったことになります。いろいろと感想などをあれこれ。えー、例によって私は原作未読、アニメを見始める段階での予備知識はまったくありませんでした。

舞台になっているのは、我らが歴史の中世によく似た時代の「ドイツ語圏」によく似た地域のどこか、ということのようですね。一応蛇足ながら解説してしまいますが、「ドイツ」という国が成立したのは19世紀も半ばを過ぎてからのことで、それまでの長い年月は大小の多くの領邦や都市の集合した領域でした。

ざっくりと「神聖ローマ帝国」という言い方もできますが、そこからはみ出している「ドイツ語圏」も多くあります。反対に「帝国」の領域内にも、ドイツ語以外を日常語としている地域も多くありました。そもそも「神聖ローマ帝国」とは「神聖でもなくローマでもなく帝国でもなかった」などと言われる、単なる「統治の称号」みたいなものという考えもあります^^;。

閑話休題。「ドイツ語圏」にこだわりたい理由は、主人公のマインという名のことからです。おそらくドイツ語の「mein(私の)」という言葉で、英語のmineと同じく所有代名詞。ただし「男性名詞」なんですけどね^^;。ま、とにかく「私の」という名を持つ少女が主人公として活躍する物語なんですよね。第1話でのいきさつの説明から分かるわけだけど、マインという少女には本須麗乃という別の人格が入り込んでいる、と。その名が「マイン」なのだというのは大事なことだと思います。

始めの何話かを見ていて、彼女がさまざまな工夫を生み出していく様子は楽しく見ていました。ただ心配になったのは、あの時代なのだし「魔女」という扱いを受けちゃうんじゃないか、ということでした。でも第1話でいきなり「魔術具」なんてものが登場してたっけ、と思い出して、不思議なことにはある程度の耐性のある世界なのだな、と納得はしました。

でもルッツには気づかれてしまうんですよね。かなり危うい理解と納得を経て、ルッツはマインと「その中身の誰か」を、共々に認めることになります。この理解を得ることで、マインは苦境に立っても乗り越えていけるという自信を持てたのでしょうね。

ベンノやフリーダの「商人」と「商売」についてのいろいろな発言やその描写、マインの両親の商人に対する認識などは、なかなか面白いなと思いました。そうでない人達にとっての「商人」は「人を欺いているような仕事」というあたりは、微苦笑を誘う面白さがあります。

終盤近くになって「神殿」の描写がありますが、何やら多神教の神殿風。かつエンタシスにアカンサスの装飾があったりと、ちょっとニヤニヤしてしまいます。まぁ「中世風の」世界だし、あの「祈りのポーズ」も含めて、「本物じゃないよ、想像の世界なんだから」という念押しも感じます。うん、いい意味ですよ、これ。

わりと早い時期に「ちゃんりんしゃん」なんて言葉が出てきて、びっくりさせられましたね。何年ぶりかで耳にした言葉ですが、平成以降に生まれた皆さんには分かったのかな、すぐに^^;。まぁ髪を洗ってますから理解は可能だろうけど。

声優陣に関しては、わりと重厚というか豪華というか中堅・ベテランを中心にキャスティングしていますね。井口裕香さんのマインは独り言も含めて、感情の移り替わりや声の表情の豊かさが印象的。ルッツ役の田村睦心さんは、もはや「安心の田村睦心」というところでしょうか。こちらも少年の多感さや揺れる心の動きが見事です。

トゥーリ役の中島愛さんとフリーダ役の内田彩さんは、どちらも可愛くそしてそれぞれの役の性格に似合った表現が楽しめました。今のところは名前が明らかにされていない神官長役の速水奨さんと、ベンノ役の子安武人さんは、どちらも言わば「適材適所」のはまり役でしたね。おふたりともうまいよね。それと私としては久しぶりに山口眞弓さんのお名前を拝見できたのが嬉しい限りです^^。

劇中の音楽は「中世」にこだわっちゃうと、ちょっと本気度は低いのかなと思います。弦楽器やチェンバロの音は、古風な雰囲気は出してるけど。まぁ「中世音楽(特に世俗音楽)」は、どのように演奏されていたのかが難しい部分もありますからね。音楽としての本気度が高かった「狼と香辛料」も、おおむね「ルネサンス音楽」だったかなと思いますし。

思いつくままにあちらこちらと書きましたが、トータルとしては今期に見ていた作品としてはいちばん面白く感じていました。まぁ今期は4本しか見てないから、その中でですが。私としては多い本数なんですけど^^;。とにかく来春には第2部もありますし、それを楽しみにしたいと思います。原作は全5部まであるようですけど、全部を映像化できるのか否かは分かりませんが。まぁ第2部は確定なのでそれを楽しみに^^。

追記:そうそう忘れてはいけないことを書き忘れてしまっていました^^;。監督を本郷みつるさんが務めてらっしゃること。私にとっては「キョロちゃん」や「カスミン」という、大変印象深い作品を手がけてらした、ということで好きな監督さんのひとりでございます^^。第1話のクレジットを見て、大変嬉しかったのですよ^^。
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