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Somethin' Else [音楽]

「Somethin' Else」はCannonball Adderleyのリーダーアルバムとしてブルーノートから発売された、同名タイトルのアルバムの3曲目として収められている曲のタイトルです。うー、ちょっと回りくどい書き方になっちゃいましたね^^;。というのもちょっといろいろと事情のあるアルバムなんですよね。大人の事情。

マイルスは1952年ごろから麻薬の影響などもあって不調が続き、まともに仕事も無かったようなんですが、ブルーノート・レーベルのアルフレッド・ライオンが、彼にレコーディングさせて仕事を回したのだそうです。ライオンさんは、ブルーノートの創始者ですね。ジャズ方面では高名なお方でございます。

ところがその後にマイルスはライブで名を上げて、コロムビアと専属契約を結ぶことになります。これが1955年のこと。で、さらに何年かを経て1958年に、ライオンさんはフリーランスで契約が無かったキャノンボールにレコーディングを持ちかけるのですが、経緯は不明ながらマイルスも加わることになったのでした。

あるいは別の話としては、マイルスと久しぶりに録音したいけど、という話をライオンさんからしたのだとも言います。マイルス曰く「オレは契約があるから、フリーランスのキャノンボールがリーダーで作るアルバムにする」という手を使える、と。そこでライオンさんはコロンビアにマイルスを貸してくれ、と連絡を入れます。

一方でマイルスは、キャノンボールのアルバムなんだし、彼のやりやすいスタイルでやればいいと、セッションのメンバー集めをしたようです。その結果58年当時としてはマイルスとの共演があまりないメンツが顔を揃えて、このアルバムができ上がったのでした。もちろんリリースはブルーノートレーベルから。

マイルスの主導で制作された、という話もありますが、現場ではキャノンボールが曲についての説明などもしていたようで、マイルスが客演プラスコーディネイト、キャノンボールがリーダー、みたいな形だったようです。まぁいろいろあったわけですが、ある種の「契約のがれ」の結果でき上がったアルバムだったのでした。その辺が「大人の事情」ってことで。

このアルバムにはドラマーとしてアート・ブレイキーが加わっています。この頃にはそれぞれ大物になっていたアートとマイルスの顔合わせが実現しているという、ある意味で貴重なアルバムとなりました。そう言えばこのアート・ブレイキーという人は、ジャズドラマーとしての人気は、オールタイムベストでの上位に来ると思うけど、ミュージシャンとしてのキャリアはピアニストとしてスタートしたらしいです。ホントかね^^;。

「Somethin' Else」という言葉は、直訳としては「何かいいもの」という意味なんだけど、スラングとしては「すげーいいよ」ぐらいの、相手を褒めるときの言葉なんだそうです。作曲はマイルスなので、彼のお得意の何となく口をついて出てくる短い言葉をタイトルに付けたんでしょうね^^;。たぶんね。
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