SSブログ

黒猫短尾派無頼横丁 [猫]

角を曲がって何歩か行くと 奴らがそこにいるのが見えてくる
小路の奥の日向のあたり ひっそりと坐っているのが

短尾派は先祖のしるし 黒い毛も父母の誇り
みんな親戚同士なんだぜ と言いたそうな瞳で私を見る

午下がり明るい午後 近づく私に目は動かすけれど
とりあえず人間ならば 関心も無いのさ とその目は言っている

迷い込んだ私は ちょっと挨拶をして道を尋ねてみるのだが
もちろん答えがあるわけもなく 返ってくるのは あくび

しかたがないから あたりに人はいないのかと
見まわしてはみるのだけど 通るものなどいないのだった

やっぱりそこは無頼横丁 黒猫短尾派の住み家なのだ
そうさ私が悪かったのさ と諦めて回れ右を決め込もう

遠ざかる気配を感じて 奴らもかすかに挨拶をくれる
私は日向の匂いを吸いこんで 思わず照れ笑いを少し
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。