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家路 [音楽]

「家路」とタイトルの付いた曲はいくつかあるのですが、ここではドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の2楽章を元に詞を付けた歌曲についてです。先日FMで歌曲版を聴いていた時に思ったことを少し。

その時はテノールの独唱でのものを放送していました。歌の始めの方はゆったりと柔らかく歌い始めるのですが、やがてメロディが高揚していくときに次第に音量を上げ、歌詞の最後の行は高らかに朗々と歌い終えます。この時私は、聴いていて少し違和感を覚えてしまいました^^;。なんだか、ずいぶんと高揚しているぞ、と^^;。

この歌の歌詞が文語調で書かれていて、節の最後の行にクライマックスがありますから、西洋歌曲的解釈をもって歌えば、確かに聴いたとおりに最後は高らかに、でいいんでしょうけど。一般的にはこの堀内敬三作詞のものが有名だとは思います。1番だけ引用しておきます。

 遠き山に 日は落ちて / 星は空を ちりばめぬ / きょうのわざを なし終えて
 心軽く 安らえば / 風は涼し この夕べ
  いざや 楽しき まどいせん / まどいせん

という、よく知られているものです。うーん、やっぱり高揚してしまうのかな^^;。あくまでも私のイメージでの話なんですが、このメロディはもっとこう落ち着いてしっとりとした、儚さもたたえているような響きであって欲しいと思うんですよね。最後の行なんか、ディミヌエンドですっと消え入るような感じで^^。歌曲としての解釈だとそうならないんでしょうか^^;。

この曲の日本語の歌詞は、実はもうひとつあって野上彰という人の作ったものです。有名ではない方、と言うと申しわけないのですが、私もこの曲について調べ始めるまでは知らないでいました^^;。こちらの方も1番だけ引用しておきます。

 響きわたる 鐘の音に / 小屋に帰る 羊たち / 夕日落ちた ふるさとの
 道に立てば なつかしく / ひとつひとつ 思い出の
 草よ 花よ 過ぎし日よ / 過ぎし日よ

こちらの方は少し平易で柔らかな優しさがあるように思えます。少し月並みに落ちている気もしなくもないのですが^^;。文語調の堅さからは逃れてはいます。ふむ、こちらならばかそけきディミヌエンドに持っていけるかしら。日本語歌詞の難しさというものも、実感してしまいます^^;。

ちなみに管弦楽版というか、オリジナルの交響曲のCDで我が家にあるのは、セル、ドホナーニ、シルヴェストリというところです。ドヴォルザークでは8番の方がCDはたくさん持ってますね^^;。某ネットのCDショップを調べてみたら、おんなじ指揮者の違う録音とか再発ばかり並んでいます^^;。最近の若い指揮者さん達って、「新世界」を録音しないのかな。佐渡さんが50歳代で、いちばんお若いような感じなんですが^^;。
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