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坂の街と猫 [猫]

昼下がり 賑やかな街角を曲がり 坂を登って
半ばまで来ると その小さな店はある

明かりに照らされたウィンドウと 開け放した扉
坂はそのあたりだけ 少し華やかだ

猫はその扉の奥から 柔らかに滑り出してきて
そっと私の顔を 声も無く見た

小さく呼びかけてはみたけれど 答えは返ってこない
けれども美しい尾を 立ててみせてくれたのだった

見つめ合って ゆっくりかがんだ私の手に
静かにすり寄って 猫は少しのあいだ私のそばにいたが

ふと何か用事を思い出したのか 静かに道を渡ると
影の向こうに消えていった 私に挨拶を送ってくれたままで

見送った私は やがて坂を登って歩き始める
午後は暖かい 空気は穏やかだ と感じながら
タグ: ねこ
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