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読響とカンブルランのブルックナー交響曲第4番 [音楽]

9月の演奏会を収録したテレビでの放映を見て書いているわけですから、もう1か月ほど前のことなんですけどね。ブルックナーの交響曲のうちの何曲かは、いくつかの版があって、その違いによって演奏内容もずいぶん異なることがあります。まぁブルックナー先生が、弟子たちの意見とかを聞き入れて改訂を施していたり、ということもあったようです。

この点、たとえばマーラーが「自分でオケを振ってみて」、その音の出かたとかを聴いた上で、自分で楽譜に手を入れたりした、というのとは少し事情が異なっています。ブルックナーの場合は、どこまでがご本人の明瞭な意思に基づくものなのか、判断が難しい場合もあるんでしょうね。20世紀に入ってからも、よく知られたふたつの版(ハースとノヴァークによるそれぞれの版)がよく演奏されています。

まぁ、ものすごくザックリとノヴァーク版が現状の「標準」ですよ、と言ってもおおよそは間違っていない、とは思います。第7番のアダージョなんかは、個人的にはハース版の方が好きですけど。ま、ともかく9月の読売日本交響楽団の演奏会では、このふたつの版とはまた違った1888年稿のコーストヴェット版という版での演奏でした。

この1888年稿という版は、ある時期には「弟子たちが(勝手に)改竄してしまった」版と考えられていて、あまり顧みられてはいなかったようです。ただ、まったくブルックナー自身が知らなかったわけでもないだろうとは思うんですけどね。とにかくCDや演奏会で耳慣れている音楽とは違った音が奏でられて、ちょっと驚くところが出現します。「耳新しい」という点では確かに新鮮なんだけどね。

ティンパニが無かったはずのところでいきなり鳴ってみたり、アクセントを叩き込んだり、とか木管のバランスが違った響きを生んでいたりとか、カットがあったりとか。いろいろ「違う」のはたしかです。ただ「必然」はあまり感じませんでした^^;。演奏してみる価値はあるとは思うけど。これからもブルックナーの演奏には、版の問題が付いて回ると思いますけど、結局のところ「決定稿」は出てこない(出せない)ってことなんでしょうね。なかなか難しいものでございます^^;。
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