SSブログ

N響のマーラー9番 [音楽]

チケット屋さんから定期配信のメールが来ました。N響の定期でブロムシュテットさんがマーラーの9番を振るのだそうです。

ヘルベルト・ブロムシュテットという指揮者は、初めてドレスデンと来日したときに聴きに行っていまして、なんとなくひいきというか、信頼しているというか、気になる指揮者さんなのです。その時のコンサートは、確かシューベルト「未完成」とブルックナー4番という、正統かつ重めのプログラムでした。私にとっては「シューベルトがブルックナーの祖母だった(もちろん比喩的に、ですよ)」ということに気づかせてもらったコンサートでした。客観的にはてらわず、歌心があって曲の本質に語らせる感じの出来でした。この夜の大多数の聴衆も同じ意見だったのではという気がします。その後の来日回数などを見ても、日本の聴衆からある種の「信頼感」を得ているんじゃないか、と思います。

老大家がマーラーの9番を振る、ということについては、ある種のめまいというか怖さというか、あるいは危うさのようなものを感じてしまいます。曲の持っている本質がね、「死に対しての恐れと憧れと」といったようなものなので。「憧れ」ではなくて「救済」なのかも知れませんが。

私はマーラー9番の実演は大友直人さんが10数年前に振ったのを聴きに行っています。データを調べようと検索したら、つい2、3日前にも東響との演奏があったとのことで、私の行ったコンサートのデータが出てきません^^;。あの時も東京交響楽団だったかな。東響は団員のある方とご縁があって、年に数回聴きに行っていた時期がありますから。大友さんが登場して指揮台に上がり一礼したあと、音が出るまで30秒以上(という印象ですが)じっと沈黙し、その時の緊張感がすごかったなぁ、という記憶があります。端正な演奏だった印象があります。

だいたいマーラーって、曲がくどく書いてありますから、あんまり曲に没入しちゃって一緒になって泣きわめくような演奏だと、ちょっと音楽がどっかに行ってしまうような、というのは私の個人的意見ですが。でも、まぁ適度に主知的な方が、聴いていて好きです。そう言う意味ではブロムシュテットさんは悪くないとは思うけど、マーラーの質感とブロムシュテットさんの資質は、どこかで食い違うような気がしています。ブルックナーの方が合っている、というのは先入観かも知れませんが、ブルックナーの5番も振るそうなので、そちらは大いに楽しみです。どっちにしても私は行けそうにないけど、どういう演奏になるのか期待しています。たぶんNHKが収録するでしょうし、放映に接することもできるでしょうし。



シューベルト:交響曲第9番ハ長調「ザ・グレイト」

シューベルト:交響曲第9番ハ長調「ザ・グレイト」

  • アーティスト: ブロムシュテット(ヘルベルト),シューベルト,シュターツカペレ・ドレスデン
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2007/04/11
  • メディア: CD



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。