夏の猫 [猫]
その子、耳が聴こえないみたいなのよ、
と
その家の女性は私にそう言って少し笑顔を見せた。
確かに、その家には何匹も犬がいて、
さっきからやかましく吼え立てていた。
しばらく前から家にやって来て
人なつこくするものだから、
ごはんを上げてるのよ、とも言った。
こんなに犬が吼えるのに平気みたい、と。
見れば、ピンクの首輪に小さな鈴を付け
ゆっくりと食事をしているのだった。
だがしかし、私がさっき初めて会ったとき、
彼女は私の声に小さく、にゃ、と返事をして
少しだけしっぽを上げて挨拶をくれたのでは
なかったろうか?
だから私は思うのだ。
耳が聴こえないなんてことは
無いんじゃないかい、みぃさん。
暖かい手のやさしいひとと、
おいしいごはんがあるのなら、
犬の吼える声なんて気にはしないのよ。
だって犬は出てくるわけじゃないし。
私は外でゆっくりしていられるし。
と
彼女はきっと言うに違いない。
それでじゅうぶんなの。と。
だからここにいるの。と。
と
その家の女性は私にそう言って少し笑顔を見せた。
確かに、その家には何匹も犬がいて、
さっきからやかましく吼え立てていた。
しばらく前から家にやって来て
人なつこくするものだから、
ごはんを上げてるのよ、とも言った。
こんなに犬が吼えるのに平気みたい、と。
見れば、ピンクの首輪に小さな鈴を付け
ゆっくりと食事をしているのだった。
だがしかし、私がさっき初めて会ったとき、
彼女は私の声に小さく、にゃ、と返事をして
少しだけしっぽを上げて挨拶をくれたのでは
なかったろうか?
だから私は思うのだ。
耳が聴こえないなんてことは
無いんじゃないかい、みぃさん。
暖かい手のやさしいひとと、
おいしいごはんがあるのなら、
犬の吼える声なんて気にはしないのよ。
だって犬は出てくるわけじゃないし。
私は外でゆっくりしていられるし。
と
彼女はきっと言うに違いない。
それでじゅうぶんなの。と。
だからここにいるの。と。
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