F1 2010年の感想と来年に向けて

アブダビGPは、ベッテルの優勝とチャンピオン決定で幕を閉じました。私がちょっと感心したのは、レース後のベッテルのコメント。彼はゴールの直後はチャンピオンになれたことに気づいていなかったらしい、ということです。チームスタッフがアロンソの７位を確認してから、チームラジオでベッテルに伝えて、それでベッテルは初めて気づいて大喜びした、という話。ドライバーって、そういうものなのかも知れないな、と思いました。とにかく、まず走るのだ、ということで。

2010年シーズンは終わりましたが、４か月足らずのオフのあいだに、来季のチーム編成と車作りをするという仕事もこなすわけで、F1チームはまことに忙しいものでございます＾＾；。今季の上位チームの共通の特徴としては、各チームとも「恋人」がはっきりとひとりづつ存在している、という点じゃないかと思います＾＾。F1好きなら、よくご存じの組み合わせ。
　レッドブル　ベッテル
　マクラーレン　ハミルトン
　フェラーリ　アロンソ
　メルセデス　シューマッハ
の、４チームの４人です。

このうち、シューマッハをのぞく３人は最終レースでチャンピオン獲得の可能性がありました。これだけ、上位チームの力が接近しているのも、F1の歴史では珍しいのではないかと思いますし、各チームが惚れ込んでいるドライバーがそれぞれに在籍している、というのも稀ではないでしょうか。

その一方で、「恋人」以外のもうひとりのドライバーにとっては、フラストレーションもたまっている可能性が多分にあります。特に、ウェバーとマッサのふたりは、チームを出るのではないか、というウワサが夏の終わり頃からちらほら聞こえてくるようになっています。ロズベルクも、他チームから注目を浴びていて、状況によってはチームを離れることになりそうです。バトンだけは、おそらく来年もマクラーレンで走ることになるんじゃないかと思います。

マッサは、例の「チームオーダー」事件以来、モチベーションも落ちてしまっているのか、予選も冴えないことも多く、とりあえず出て行くしかない、と思っているような感じです。こうなると、１ポイントの差でハミルトンにさらわれたチャンピオンの座は、ホントに惜しかったことになります。本人もまだチャンスはある、と思っていることでしょうから、アロンソの下に置かれている状況は我慢はしたくないでしょうね。

ウェバーは年齢のこともあるし、出て行ったとしても今よりいいチームには行けないわけでしょうから、もしかしたら残る選択をするかも知れません。その上でもう一度チャンスがあるかどうかを試してみるのも悪くない、と思っているかも知れません。もちろん、チームが残ってくれと言えばの話ですが。

ロズベルクも、シューマッハ中心のチーム作りとなる来季は、セカンド扱いされることになりそうですし、となればほかに移ってもいいと思っているかも知れません。フェラーリがロズベルクを欲しがっているというウワサもあるようです。

今年一番速いからと言って、来年も一番速いとは言えないのが、この何年間かのF1ですから、ほかのチームが見つけられなかった「工夫（ルールをかいくぐっての）」を見つけて実用化できたチームが、おそらく一番速いということになりそうです。資金力も含めれば上位の４チームは、今年と同じでしょうけど、順番が同じとは限らない、と思っています＾＾；。

中団グループでは、ウィリアムズがこれまでの大きなスポンサーとの契約を打ち切られるようなので、苦労が多くなりそうです。ザウバーが、いいスポンサーが得られればいいな、とも思いますが、各チームが資金面では苦戦が続いてますから、なかなかうまくいかないでしょうね＾＾；。

エンジンから見ると、どうやら来季はルノー、メルセデス、フェラーリが３チームずつに供給することになるようなんで、仏独伊三つ巴の、ある意味では欧州自動車大国の対抗レース、という性格がますますはっきりしてきます。ただ、各エンジンともに、大きな差は無いように思うので、結局はシャーシの勝負、という点は今季と変わりません。

下位グループは……、まぁ、とにかく力を付けて欲しいとは思います＾＾；。ロータスの車の色は、きれいで気に入っているんですが、いいスポンサーがもし見つかったら、色は変わっちゃうんだろうなと思います＾＾；。それもちょっと残念な気も＾＾；。

まぁ、来季までニュースとしてはドライバーの移動ぐらいになりそうですし、各チームが来季どんな色合いで出てくるかを楽しみに待ちたいと思います。上位チームの色はあまり変わらないとは思いますが＾＾。

タグ：F1 2011シーズン