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AKG K420の試聴 その2^^ [ヘッドフォン]

AKG K420を試聴した音の感想などを書いています。昨日の記事の続き。いわゆる「生の」楽器の音色などについてですが、K420の元々の特性としては、いくらか演出した音を表現しているように思います。やはりハウジングのサイズなどからも、特に低音の表現はある程度作られた音になっていると感じます。これはこの製品に限らず、コンパクトな設計と低音というものは、本来は相容れないものであるはずだからです。

どうしてもユニットの制限などがありますからね^^;。オーバーヘッドの室内用途を目的として設計されたもののような低音域は表現しきれないと思います。なので昨日も書いたような100-200Hz近辺のアクセントで、低音感を演出することになります。K420よりももっと持ち上げ方の大きな製品も様々なメーカーから発売されていて、時として人間の声の帯域にも影響が出て、女性のボーカルが太めの音色になったりします^^;。好みによっては、それでもいいと言う人もいるわけなんですけどね^^;。

K420は、どちらかと言えばフラットと言われるような音の性格ですから、ボーカルの音には誇張感が少なく、サ行の刺激的な音もほぼ出てきません。それと引き換えに、と言うのもなんですけど、ベースのずっしりとした重み(エレクトリック、アコースティック共に)やオーケストラの低弦の唸りなどは表現しきれません。まぁ、実際のところ客席で聴くオケの音の中での低弦というのは、CDなどで聴ける低弦の音よりもはるかに軽やかな音色なんですけどね^^;。

ジャズやクラシックを聴いていて感じるのは、コンパクトな製品であるにもかかわらず、「自然な響き」を大切にしているヘッドフォンだな、ということです。演出はしているにせよ、誇張のない音が聴けます。少しだけ低域は持ち上げてますよ、少しね^^;。それとやはり輪郭の表現が少し荒くなると言うか、ざっくりと描いているような音になります。また、奥行きや遠近感などはやはり表現しきれません。

具体的には、たとえばオーケストラの金管群が大音量で鳴る時に、ステージの手前まで出てきて吹いているような感じ^^;。これがK240 Mk2ぐらいだと、きちんと奥の方に並んでいて、しかもフォルティッシモの音量感が聴き取れるわけです。その辺がちょっと平板になってしまいます。と言っても、もっと大きなハウジングのヘッドフォンでも、こういう奥行き表現がぜんぜんダメという製品も聴いたことがありますけど^^;。それに比べればはるかに奥行きは出ます。

それと、録音にもよりますがほんの少しだけ、高音弦の響きにメタリックな響きが現れます。圧縮音源とそうでないものでも、少し違ってきますが。K240 Mk2だと、柔らかくふっくらと響くわけではなく、むしろ細身の音なのにメタリックにはなりません。輝きはあるのに鋭くはない。K420だと、わずかですが鋭さとして現れてしまう、という感じです。と言っても聴き比べるから気がつくのであって、ごく気楽に聴き流していると、あまり感じないのですが^^;。

ということで、クラシックでも編成の小さいものは聴いていて違和感の少ない音になります。「100パーセントの真実」ではないけれども。まぁ、CDの音っていうものが元々「100パーセントの真実」ではありませんからね^^;。クラシックにしても。K420では押し出してくるような迫力は望めませんが、それでも大きさを考えればよく頑張っていると思います。全帯域に強い誇張が無いことも、アコースティックな音楽に対しての「ウソの度合い」は小さめ^^;。

と言うわけで、AKG K420の音についての感想はこんな感じです。大きさや価格も考えれば、かなりの健闘ぶりだと思います。私は夏の時点で最初にチョイスしていたのはK402だったんですよね。ただ、店頭で聴いたときには少しK420よりもザックリとした粗さがあるように感じたんです。K402の音はサマーセーター、K420の方はニットのセーター^^;。分りにくいですね、ちょっと^^;。きれいなお姉さんが着ているならどっちも好きですけど^^;。

手元には結局K420はあって、K402は入手していません。なので我が家での聴き比べはしていないわけですが、恐らく店頭での感想は外れてはいないと思います。私の個人的な好みとしてはK420にしておいた方が後悔することは無いだろう、と思います。曲折あって選択を変えたのは正解であった、と思っているわけです^^。気軽な気分で音楽を聴きたい時に、しばしば手に取るヘッドフォンになりそうです^^。
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