ジャック・ブルース逝く

仕事で記事を更新できないうちに訃報にふれてしまいました。一般的にはクリームのベーシストとしての彼がいちばん有名なんだろうと思います。ジャック・ブルース、本名はJohn Symon Asher Bruceだそうです。初めて知ったときに「ジャック」じゃないのですね、と思いましたっけ。

ミレニアムを少し越えた頃から、病気との闘いを続けていたようですし、厳しい健康状態と戦いながら音楽に携わってきたのだろうと思います。2005年のロイヤル・アルバート・ホールでのクリーム再結成ライブでは、ほんの２、３年前に大病を患ったようには見えない演奏ぶりと歌声なんですが。

クリームの活動の最中にはいろいろとメンバー間の衝突も絶えず、結局のところ２年半足らずでの解散となりました。私はクリームの特にスタジオ・ワークにおける中心的役割はジャック・ブルースが果たしていると思っていますが、名声はエリック・クラプトンがいちばん高まったようにも思います。ライブでのエリックは確かに凄いなとは思うけど、それに歌心のあるベースを対位的に付けていくジャックも凄いのですよ。

クリーム解散後は、ジャックにしてもドラマーのジンジャー・ベイカーにしても、ある意味で苦闘を続ける音楽活動だったように思います。個人的な知名度は別にして、商業的にも決して大成功したとは言えませんし。エリックがクリームのあともいくつかの曲折を経たのちに大きな成功を収めたのとは対照的です。

さっき2005年のライブって書きましたけど、この時だってもう９年以上も前のことなんですよね。一緒にバンドをやってたときにはいろいろあったかも知れないけど、演奏中に笑みを交わすエリックとジャックの姿には、目頭を熱くさせるものがあります。今しがたまた見返してみて、またちょっと来てます。満71歳没。ご冥福を祈ります。どうか安らかに。

タグ：訃報 エリック・クラプトン ジャック・ブルース クリーム